認知行動療法とは?
こんにちは!今年は短い梅雨、早くからの猛暑でお疲れの方も多いかと思います。熱中症に気を付けてご自愛ください。
さて今回ですが、最近認知行動療法についてお問い合わせをいただくことがあり、「なにそれ?」「聞いたことはあるけどよくわからない」という方に向けて、ざっくりとですが認知行動療法についてお伝えしていきます!
例えば「〇〇さんに嫌味を言われてしんどくなる」「人の多い所に行くと周りの目が気になってパニックになる」などの困りごとがあるとします。そのような困りごとについて話し合い、今とは違った、あるいは新たなものごとの考え方やとらえ方を身につけたり、その時にとる行動を変えてみるといったことをします。そうしていくことでだんだんと困っていることに適応する力が高まり、またその力を発揮しやすくなります。認知行動療法に取り組むことで、それまでよりも楽に過ごせるようになる可能性があります。最近では多くの困りごとについて認知行動療法が行われています。従来の認知行動療法から派生し、バリエーションも増えているようです。
私たちの訪問においても、日々の困りごとの解決のために認知行動療法の考え方や技法などを用いることがあります。
ここから先は少し硬い説明となりますので、興味のある方は読んでみてください。
認知行動療法は、「人間のものの考え方や受け取り方が、その人の気分や行動に影響を与える」という関係性を基盤とした心理療法です。うつ病や不安障害(パニック障害、社交不安障害、心的外傷後ストレス障害、強迫性障害など)、不眠症、統合失調症、双極性障害などの精神疾患に対する治療効果と再発予防でも効果があることが実証されて一般的にも広く使われるようになっています。また、精神疾患に限らず幅広い分野で活用されているそうです。
認知行動療法はその時に起こっている問題について、問題解決を妨げている認知(情報処理、とらえ方、考え、イメージ)と行動(いわゆる誤った学習により身についた行動、身体的な反応など)に焦点を当て、話し合いや実生活での実践などを通して適応的な認知・行動を身につけることで問題解決を目指します。
では、どのようなことをして身につけるの?と気になると思うのですが、認知療法、行動療法のいくつかの技法を使って、悪循環からの脱却を目指します。どのような技法を用いるのかは人によって異なりますしその種類も多いので、具体的に「この練習をします!」というのは難しいのですが、例えば適応的でない認知が行われている場合であれば適応的な認知を加えていく『認知再構成法』、気分が落ち込み活動低下している場合であれば、段階的に活動を増やし活動意欲を上げていく『行動活性化』、不安が強くなる、パニックになるといった理由で外出などの活動ができないという場合は不安に少しずつ順応することを図る『エクスポージャー』などがあります。
認知行動療法は治療場面だけでなく、日常でも取り入れることができます。というよりも、日常的に取り組まないと効果が得られにくいものです。専門的な技法があって難しそう、と思われるかもしれませんが、繰り返して取り組むうちに、自分でも取り組めるようになっていきます。
参考文献
PT・OT・STのための認知行動療法ガイドブック 大沢信雄著 中央法規出版